潜水士試験とは?令和8年度の日程(センター別)・受験資格・合格基準・合格率まとめ
潜水士免許は、仕事として水中で作業をするために必要な労働安全衛生法の国家資格です。レジャーダイビングのCカードとはまったく別のもので、これがなければ潜水業務に就くことはできません。試験は学科のみ・40問・4時間、受験資格は不要。合格率も74%台と高めですが、科目ごとに配点が違い、1科目でも40%を割ると総得点にかかわらず不合格という仕組みがあります。このページでは、令和8年度の全国センター別の試験日・申込期間・費用・合格基準・合格率・合格後の免許申請までを、安全衛生技術試験協会の公式発表と法令の条文から整理しました。
最終更新:2026年7月28日
0このページの内容
1潜水士免許とは――Cカードとは別物です
潜水士免許は、労働安全衛生法にもとづく免許です。労働安全衛生規則 別表第三は、労働安全衛生法施行令第20条第9号の業務――すなわち「潜水器を用い、かつ、空気圧縮機もしくは手押しポンプによる送気またはボンベからの給気を受けて、水中において行う業務」――に就くことができる者を、「潜水士免許を受けた者」と定めています。
ここが、よくある誤解の分かれ目です。
- Cカード(PADI・NAUIなどの認定証)は民間団体のレジャー向け認定で、国家資格ではありません。これで仕事として潜ることはできません。
- 潜水士免許は国家資格で、業務として潜るなら必須です。反対に、レジャーで潜るだけなら潜水士免許は要りません。
- 潜水士試験には実技試験がありません。学科だけで取れます。つまり「泳げない人でも合格はできる」試験ですが、実際の仕事には別途、潜水の技能と経験が要ります。
水中土木、船舶の点検・清掃、サルベージ、水産関係、水族館、警察・消防の水難救助など、水に関わる仕事の入口になる免許です。
出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」別表第三(就業制限に係る業務)/同「労働安全衛生法施行令」第20条第9号(いずれも条文本文を e-Gov 法令API から取得して確認)/安全衛生技術試験協会「潜水士の紹介」
2受験資格は不要――学歴も実務経験もいりません
安全衛生技術試験協会は、潜水士試験の受験資格を「不要。ただし、本人確認証明書の添付が必要です」と明記しています。学歴・実務経験・年齢の要件はありません。免除科目もありません(全員が4科目すべてを受けます)。
3令和8年度の日程――センターごとに開催日が違います
潜水士試験は全国の安全衛生技術センターで実施されます。全国一律の試験日ではなく、センターごとに開催日が違い、回数も違います。令和8年4月から令和9年3月までの日程は次のとおりです。
| 試験会場 | 令和8年度の試験日 | 年間の回数 |
|---|---|---|
| 北海道センター | 4/23・7/16・9/24・12/14・令和9年2/8 | 5回 |
| 東北センター | 4/23・7/16・9/24・12/14 | 4回 |
| 関東センター(市原) | 4/23・6/3・7/16・9/24・12/14・令和9年2/8 | 6回 |
| 関東センター 東京試験場 | 4/23・6/3・7/16・9/24・12/14・令和9年2/8 | 6回 |
| 中部センター | 4/23・7/16・12/14・令和9年2/8 | 4回 |
| 近畿センター | 6/3 のみ | 1回 |
| 近畿センター 大阪試験場 | 4/23・7/16・9/24・12/14・令和9年2/8 | 5回 |
| 中国四国センター | 4/23・7/16・9/24・令和9年2/8 | 4回 |
| 九州センター | 4/23・6/3・7/16・9/24・令和9年2/8 | 5回 |
また、上記のほかに出張特別試験が地区ごとに実施されることがあります。出張特別試験は提出先・受付期間が地区ごとに異なり、試験の開始時刻も地区ごとに定められます。
4申込みはいつから?――オンラインは「2か月前から14日前まで」
潜水士試験はオンライン申請ができます。協会の案内では、オンライン申請は試験日の2か月前(深夜0時00分00秒)から受付を開始し、試験日の14日前(23時59分59秒)で締め切られます。書面で申請する場合は受付期間が異なるため、公式サイトでご確認ください。
- 9月24日の試験 → オンライン申請の受付は7月24日0時〜9月10日23時59分。北海道・東北・関東(市原)・東京試験場・大阪試験場・中国四国・九州の各センターで実施されます。
- 12月14日の試験 → 受付開始は10月14日0時から(北海道・東北・関東・東京・中部・大阪)。
- 令和9年2月8日の試験 → 受付開始は12月8日0時から。
申請には本人確認証明書と証明写真(2.4cm×3.0cm)が必要です。オンライン申請の場合、支払いはクレジットカード・コンビニ・Pay-easy(ペイジー)から選べます。添付書類の郵送が必要な場合は、支払い手続き後1週間以内に特定記録郵便でセンターへ送ります。
5試験科目と配点――40問なのに「100点」の理由
潜水士試験は4科目・各10問の計40問。ところが配点は科目ごとに違い、合計100点になります。ここを知らずに「1問=2.5点」と思って解くと、時間配分を間違えます。
| 試験科目 | 出題数(配点) | 1問あたり | 試験時間 |
|---|---|---|---|
| 潜水業務 | 10問(30点) | 3.0点 | 12:30〜16:30 4時間通し (休憩なし) |
| 送気、潜降及び浮上 | 10問(25点) | 2.5点 | |
| 高気圧障害 | 10問(25点) | 2.5点 | |
| 関係法令 | 10問(20点) | 2.0点 | |
| 合計 | 40問(100点) | ― |
「潜水業務」の1問は、「関係法令」の1.5問分の価値があります。得点効率だけを考えるなら潜水業務が最重要ですが、後述する足切りがあるため、どの科目も捨てられません。
6合格基準――1科目でも4問を切ると落ちます
合格基準は、免許試験に共通して次のとおりです。
- 科目ごとの得点が40%以上であること
- かつ、その合計が60%以上であること
潜水士の配点に当てはめると、必要な正解数は次のようになります。
| 科目 | 満点 | 40%の点数 | 必要な正解数 |
|---|---|---|---|
| 潜水業務 | 30点 | 12点 | 4問以上 |
| 送気、潜降及び浮上 | 25点 | 10点 | 4問以上 |
| 高気圧障害 | 25点 | 10点 | 4問以上 |
| 関係法令 | 20点 | 8点 | 4問以上 |
| 合計 | 60点以上 | ||
配点は違っても、結果的にどの科目も「10問中4問以上」が必要になります。総得点が70点あっても、たとえば関係法令が3問しか取れていなければ不合格です。「関係法令は暗記だから最後でいい」と後回しにして落ちるのが、この試験でいちばんもったいないパターンです。
出典:安全衛生技術試験協会「合格基準」(必要正解数は同協会が公表する配点から算出)
7費用――8,800円(返還されません)
試験手数料は8,800円です(労働安全衛生法関係手数料令による。消費税法により非課税)。安全衛生技術試験協会の学科試験は、免許の種類にかかわらず共通してこの金額です。
8合格率――令和7年度は74.4%
安全衛生技術試験協会が公表している令和7年度の免許試験実施結果では、潜水士は次のとおりです。
| 試験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 潜水士(令和7年度) | 6,891人 | 5,126人 | 74.4% |
| (参考)免許試験全体 | 175,624人 | 90,230人 | 51.4% |
免許試験全体の合格率が51.4%であることを考えると、潜水士は協会が実施する免許試験のなかでは合格しやすい部類です。とはいえ4人に1人は落ちています。範囲が狭いぶん、テキストを一度読んだだけで受けて足切りに引っかかる人が一定数いる、というのがこの数字の中身です。
出典:安全衛生技術試験協会「統計(令和7年度 免許試験実施結果)」(合格者数÷受験者数が掲載の合格率と一致することを検算しています)
9合格後の手続き――免許申請をしないと免許証は出ません
試験に合格すると「免許試験合格通知書」が届きますが、これは免許証ではありません。都道府県労働局・労働基準監督署・各センターで配布している免許申請書に記入し、合格通知書と必要書類を添えて、東京労働局免許証発行センターへ免許申請する必要があります。
また、満18歳に満たない者には免許証は交付されません。18歳未満で合格した場合は、満18歳になってから免許申請をしてください。
10何から勉強すればいい?
潜水士試験は範囲が限られている代わりに、物理・生理の理屈と、法令の数字で差がつきます。効率のよい順序は次のとおりです。
- 気体の法則を先に理解する(ボイルの法則・ダルトンの分圧・ヘンリーの法則)。ここが分かると「送気、潜降及び浮上」と「高気圧障害」の大半が理屈でつながり、暗記量が一気に減ります。
- 減圧症・窒素酔い・酸素中毒・空気塞栓症の区別を、原因気体・発症の場面・症状・対処でひと通り整理する。混同しやすい定番の出題ポイントです。
- 関係法令(高気圧作業安全衛生規則)の数字を固める。作業計画、送気量、点検の頻度、健康診断など、覚えれば必ず取れる10問です。足切りの4問はここで確実に確保します。
- 最後に本番形式(40問)で通し、科目別の正解数を確認する。総得点ではなく、4科目それぞれで4問以上取れているかを見るのが重要です。
★対策アプリ「潜水士ウカール」
この試験のために作った、スマホで使える学習アプリです。インストール不要(ブラウザで開くだけ)。
- 400問の演習問題(全問に解説と一次資料の出典つき)
- 本番形式の模擬試験(4科目40問・科目別の40%足切りまで再現して合否判定)
- 忘却曲線にもとづく復習、弱点科目の優先出題、間違いノート
- 数字ドリル35問・暗記カード65枚・対比表24組・用語辞典71語・図解
- 「潜水災害に学ぶ」事例9件(厚生労働省 職場のあんぜんサイトの災害事例を典拠に整理)
- 合格予測メーター(科目別バーで足切りの危険を表示)・学習時間の可視化
- 広告なしで使える買い切り(各科目の先頭10問と模試1回は無料)
+このページの出典
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会(指定試験機関)
- 同「潜水士の紹介・受験資格」(試験科目・配点・試験時間・受験資格・免除科目・合格基準・申請の流れ)
- 同「潜水士の日程」(令和8年4月〜令和9年3月のセンター別試験日)
- 同「試験手数料」(8,800円・非課税・返還の取扱い)
- 同「統計」(令和7年度 免許試験実施結果)
- 同「試験合格後の手続き」(免許申請・18歳未満への不交付)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」(別表第三 就業制限に係る業務)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」(第20条第9号 潜水業務の定義)